外国人研修生 ・ 技能実習生・ 支援者 のみなさんへ  

●パスポートをとりあげられた

● 残業代をはらってもらえない

● 給料を,強制的に貯金させられる

● 事故でけがをしたのに,補償がもらえない

● 暴力や,セクシャル・ハラスメントをうけた

● 抗議をしたら, 帰国させると脅された

などの問題を,弁護士に相談したい方,遠慮なくご連絡ください。


研弁連の会員弁護士は,平成23年6月現在,全国で30件の裁判(労働審判,仮処分を含む)を闘っています。
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# by benren | 2012-07-10 12:42 | はじめに

役立つリンク 

● 入国管理局

● 外国人研修生権利ネットワーク

● 名古屋第一法律事務所


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# by benren | 2011-08-26 17:25 | 役立つリンク

これまでに取り組んできた事例(抜粋)  

◆愛知県
安全装置のついていない機械での「研修」により、指を負傷したビルマ人研修生が、第一次受入機関及び第二次受入機関に対し、損害賠償を求めた事例

◆神奈川県川崎市 【川崎・伊藤工業事件】
所定の研修時間を大幅に超えて単純労働に従事させられた研修生が、会社からの未払賃金についての債務不存在確認請求に対し,未払いの時間外労働賃金など約425万円の支払を求めて反訴した事例

◆熊本県 【熊本・農業実習生事件】
旅券を取り上げられ、本来の実習内容と異なる作業をさせられ、時給350~400円で休みもほとんどなく働かされていた元農業実習生が、未払賃金や慰謝料等の支払を求めて訴訟を提起した事例

◆岐阜県 (岐阜地裁平成20年1月31日、労働判例965・95)
県内の縫製工場に対し、研修生・技能実習生が未払残業代等の支払を求めた労働審判において、研修期間中の時間外労働についても労働者性があることを前提に、未払賃金を支払う旨の調停を成立させた事例

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# by benren | 2011-07-10 13:33 | 事例紹介

天草実習生の声③  

中国人研修生Cさん

1 私は、日本に来る前は、中国の青島の縫製工場で働いていました。当時の収入は月700元くらいでした。日本に来るため、2005年の10月頃に、中国の派遣会社に、保証金として4万元を払いました。4万元は日本の60万円くらいです。働いていた工場の社長からお金を借りたり、兄や親戚に保証人になってもらいました。ほかにも、日本語の勉強のために、派遣会社に2750元払いました。

2 日本には、2006年7月に来ました。日本に着いたその日に、小国の協同組合に連れて行かれ、パスポートと印鑑を取り上げられました。10日ほどして、社長が迎えに来て、天草の○○に連れて行かれ、その翌日から下着の縫製をさせられました。仕事は、朝は8時半から、夜は10時までで、昼ご飯と晩ご飯の時間を除いて、休憩時間は全くありませんでした。働き始めて2,3日すると、ノルマが課されるようになりました。ノルマが終わらないと仕事を終わることは許されず、午前3時まで残業したこともあります。やっとノルマを終わらせた後も、商品の出来が悪いとやり直しをさせられました。

3 そして、残業が終わった後も、工場の片付けや、翌日の食事まで夜中に作らなければなりませんでした。それに、研修生は12人で共同生活をしていたのですが、シャワーが1つしかなく、交代で使わなければならなったので、寝るのが毎日遅くなりました。私は、寝不足で、目が開けられなくなるくらい疲れていましたが、ミスをすると社長に怒られるので、がまんして働き続けました。

4 また、休日も、多いときでも月に4~5日、忙しいときは月に1日しかありませんでした。その休みも、不定期で、いつも前日の夜10時頃に、社長から「明日休み」と告げられました。そして、社長は私たちが日本人と付き合うのを許さず、休みのときも、私たちを日本人と会わせないようにしていました。また、私たちに来た手紙も渡してくれませんでした。

5 こうして働いても、給料は1か月6万円、残業代は1時間300円くらいでした。しかもそのお金も自由に使うことはできませんでした。社長は、私の知らないうちに、銀行口座を作り、私たちの給料を勝手に管理していました。私たちが通帳を見ることができるのは、月に1度、10分間だけでした。そして、昨年5月に通帳を見ると、25万円が勝手に引き出されていて、社長が使い込んでいたことが分かりました。

6 私は、社長の指示で働いていましたが、社長はたびたび、私たちの働きが遅いと言っては、「中国人は悪い」「あなたたちは努力してない」「バカ」「アホ」と大声で怒りました。そして、年に1回、外部の人が検査に来るのですが、そのときだけ社長は研修生の代表の人だけにパスポートを返し、「残業はしていない」「休日はある」と答えるように指導していました。

7 昨年の9月、協同組合の人が私たちを迎えに来て、理事長から「○○の社長には支払い能力がない。他の会社を探してみる」と言われました。しかし翌日になると、「あなたたちを受け入れる会社はないよ。中国に帰ってほしい。20分で荷物をまとめなさい」と言われたので、私たちは走って施設の外に逃げました。

8 現在、私たちは、△△さんという方の厚意でアパートに住まわせてもらっています。そして、カンパから月1万円を生活費としていただきながら、なんとか生活をしています。食費を切り詰めながらのぎりぎりの生活です。

9 私は日本に来て、縫製の技術について教えてもらったことは一度もありません。日本語も、協同組合にいた10日間勉強しただけで、工場で働き始めてからは、全く教えてもらえませんでした。私たちはただ、社長に怒鳴られながら、朝から晩まで機械のように働かされていたのです。
 私は、私の自由を奪ってひどい扱いをした会社に対する怒りが収まりません。私が働いて稼いだはずのお金をもらえずに、このまますませることは絶対にできません。

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# by benren | 2011-07-10 13:16 | 実習生たちの声

天草実習生の声②  

中国人研修生Bさん

1 私は,2005年10月に中国の派遣会社に登録料4万元を支払いました。4万元は日本円にして70万円くらいになります。私は給料を月に1000元くらいしかもらっていなかったので、親戚から借金をして派遣会社に登録料を支払いました。日本語も派遣会社に月3000元の授業料を支払って、3ヶ月間の研修を受けました。

2 2006年4月に,天草市の○○に研修生として派遣されました。日本に来た日に,○○の社長からパスポートを取り上げられました。天草の工場に着くと,いきなり午後6時から午後9時まで働からされました。○○では日本語を習ったことはありませんでした。○○にいる間は、他の研修生や実習生と一緒に女性物下着を縫製する仕事をさせられ続けました。

3 ○○の仕事は中国にいたときよりもひどくて,まるで奴隷のようでした。午前8時半から午後10時頃まで仕事をさせられました。遅いときには午前3時まで働かされました。
 社長からは、毎日ノルマが課されており、ノルマを達成しないと残業代は出せないと言われ、体調が悪くても課されたノルマを達成するまで仕事をやめることは許されませんでした。
 仕事がなかなか終わらないときには、社長はすごい形相で時にはテーブルを叩きながら、「努力してないから終わらない」「バカ」「悪い」と怒鳴られました。私は、社長に殴られるかもしれないと思い,怖くて一生懸命に働きました。何時間も残業をしてその日のノルマをやっと達成すると,翌日には,また、たくさんのノルマが課されました。

4 給料は月に6万円程度の給料しかもらえませんでした。残業代は1時間300円しかでませんでした。しかも、社長が私の通帳を作って、給料は強制的に貯金させられました。通帳と私の印鑑は社長が持っていたので、私たちの給料は自由に使うことは許されませんでした。社長は「バカだから給料が安い」「努力してないからだ」とよく言われました。

5 仕事が終わって、やっと寮に戻ってきても、すぐには眠ることはできません。というのは、寮では1部屋12人で生活していました。寮には、1人用のお風呂があるだけだったので、1人ずつ交代でお風呂を使わなければなりませんでした。
 私たちの食事は自分で作らなければならなかったので、仕事が終わってから次の日の食事まで作っておかなければなりませんでした。
 お風呂に入るのと、ご飯を作るのとで、寝るのが毎日遅くなり,深夜2時や3時まで残業したときは,寝るのは朝方でした。それでも翌朝は8時半から働かなければならず、仕事中は疲れと眠気でとてもつらかったです。次の日は少しでも寝ていたかったので、みんな朝ご飯は食べていませんでした。

6 休みも月に1日か2日くらいしかありませんでした。しかも、その休みは仕事の進み具合で突然、社長から「明日は休み」と告げられるというものでした。せっかくの休日も決して自由にできるわけではなく,いつも監視されていました。

7 日本に来てすぐに、社長が私名義の銀行口座を作り、給料はその口座に振り込まれ、強制的に貯金させられました。しかも、給料を振り込む通帳と私の印鑑は社長が直接管理していました。私たちが自分の通帳を見ることができるのは、月に1回の給料日に昼休みの1時間だけでした。その給料も、社長に勝手に使われていました。

 8 研修生は働いてはいけなかったということは,聞いたことがありませんでした。きちんと研修を受けたというのであれば,お給料を貰えないことも分かります。でも、私達は,毎日,○○の社長に怒られながら,ただノルマを達成するために働いていました。協同組合も、私たちを安い給料で働け、いやなら帰国させると言いました。JITCOが会社に来て私たちの話を聞いてくれたことも一度もありませんでした。
 働いてもお給料を貰えないことには納得できません。私達が働いていたことをきちんと認めて下さい。

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# by benren | 2011-07-10 13:14 | 実習生たちの声

天草実習生の声①  

中国人研修生Aさん

1 私は、2006年の1月まで、中国の縫製工場で働いていました。日本で働きたいと思って,中国の派遣会社に4万元を払い,日本に来ました。4万元は,日本円で70万円くらいです。中国での私の給料は月に1000元くらいだったので、3年分以上になります。このお金は、親戚と親の友人に借りました。また、私が契約に違反したら,保証人になってくれたいとこが15万元も払わないといけません。

2 2006年の4月、私は、フェリーで下関に着きました。到着すると、すぐに社長からパスポートと印鑑を取りあげられました。そして,社長の車で,天草の工場に連れて行かれ,その日の夕方6時から夜の9時まで仕事をさせられました。私は、長時間の移動でとても疲れていたのですが、断ることはできませんでした。

3 私の仕事は,女性用下着の縫製です。スキールでの仕事は、本当に酷いものでした。中国で社長から面接を受けたときには、働くのは午前8時半から午後5時半までと聞いていたのですが、実際には夜10時頃まで,遅いときには午前3時まで働かされました。厳しいノルマが終わらないと,残業代も出ませんでした。社長が怖い顔で,テーブルを叩きながら,「ノルマは多くない」「バカ」などと怒鳴るので,仕事をやめることはできませんでした。
 休みは、月に1回くらいで、決まった日というわけではありませんでした。休みの日だからといって、自由に外出することもできませんでした。

4 これほど休みなく長時間働いても,給料は月に6万円くらいしかもらっていません。残業代は時給300円しか出ません。社長には「バカだから給料が安い」などとよく言われました。
 給料は、銀行の通帳に入るようになっていて、貯金をさせられていました。この通帳は、来日してすぐ、社長に銀行に連れて行かれて作らされたもので、私の印鑑と一緒に社長がずっと管理していました。そして、社長は,この通帳と印鑑を使って,私の給料を使い込んでいたのです。多いときには25万円も使われました。

5 私たちの寮は,一部屋に12人でした。仕事から寮にもどると,次の日の昼食を作らないといけませんでした。お風呂は一人用です。12人で交代で入っていました。私たちは,ゆっくり眠ることもできず,仕事の疲れがたまって,とても辛かったです。

6 去年の8月には,実習生の3人が倒れました。
 耳から縫製作業の機械の音が離れないで,眠れなくなった人もいました。
 寮を逃げだす人もいました。私も逃げ出したかったのですが、派遣会社に支払うためにした借金を返せなくなるので、逃げることはできませんでした。大きな借金をかかえたまま中国に帰されるのが一番恐ろしいのです。

7 協同組合の人や理事長からは,
 「仕事をしたくないなら,中国に帰ってください」
 「あなたたちが帰っても,すぐ別の中国人が来る」
 「あなたたちの要求が,日本人と同じなら,中国人を使う必要なかったじゃない」
などと言われ,とてもショックを受けました。私たちは,日本人よりも安い給料で,長い時間働かせるために,中国から雇われたのです。スキールや協同組合は,私たちの尊厳を踏みにじっています。絶対に許せません。

8 私たちが労働組合に入ってからの交渉でも,協同組合は少しのお金を示すだけで,帰国しろと言うばかりでした。
JITCOや福岡の入管に,協同組合を指導してくれるよう,お願いにも行きましたが,何もしてくれませんでした。
 私たちは,もう,裁判所に訴えるしかありませんでした。とてもひどい目にあいながらも,一生懸命働いてきました。その分の給料は絶対に払ってもらわないといけませんし、私たちを苦しめたことのつぐないもしてもらわないといけません。

9 私たちは,希望をもって日本に来たのに,こんなに辛い目にあわせられるとは思ってもいませんでした。裁判官の方々には、だまされて日本に来て、機械のように働かされていた私たちの被害を、是非分かってもらいたいと思います。

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# by benren | 2011-07-10 13:13 | 実習生たちの声

お気軽にご連絡下さい  



(1)東京

弁護士 指宿 昭一 (共同代表)

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-18-10サンハイツ高田馬場503
暁法律事務所

電話 03-6427-5902 ファックス 03-6427-5903

(2)熊本

弁護士 小野寺 信勝 (共同代表)

〒860-0078 熊本市京町2-12-43
熊本中央法律事務所

電話 096-322-2515 ファックス 096-322-2573

URL http://www5f.biglobe.ne.jp/~cyuou-law/
ブログ http://ononobu.exblog.jp/

(3)名古屋

弁護士 大坂恭子 (共同代表)

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2-18-22 三博ビル5階
名古屋第一法律事務所

電話 052-211-2236 ファックス 052-211-2237

URL http://www.daiichi-law.gr.jp/

(4)東京

弁護士 安孫子理良 (事務局長)

〒160-0002 東京都新宿区新宿1丁目10番3号 太田紙興新宿ビル8階
TOKYO大樹法律事務所

電話 03-3354-9661 ファックス 03-3354-3324

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# by benren | 2011-07-10 12:39 | 連絡先

一緒に外国人研修生問題に取り組みませんか?  

外国人研修生問題弁護士連絡会は、外国人研修生・技能実習生に対する、人権侵害の問題に取り組む各地の弁護士のネットワークです。

外国人研修・技能実習制度による受け入れ人口は、年々増加しています。しかし、要求されている関係法令や規定等が遵守されず、最低賃金を遙かに下回る時給、時間外労働・休日労働当たり前、さらには強制貯金や旅券の取り上げ、暴力やセクハラ等といった違法・人権侵害事例が全国で多発し社会問題となっています。

外国人研修生・技能実習生は、日本全国各地の工業・農業の現場で研修・技能実習を行っており、彼らに対する人権侵害は、日本全国各地で発生しています。研弁連に寄せられる相談の中には、現在、会員がいない地域からのものも多く、この問題に取り組む弁護士は圧倒的に不足しているのが現状です。一方、外国人研修生に関する事件の解決には、労働法、入管法などの専門知識が必要となる場面が多く、一人一人の弁護士の取り組みだけでは対処するのは不可能です。

研弁連では、メーリングリストや勉強会を通して、日本各地の事件について、活発な議論や情報交換をしています。

全国の会員と議論や情報交換をしながら、自分の地域の研修生問題に真剣に取り組んでみよう、という方の参加をお待ちしています。


研弁連への加入のお申し込み・お問い合わせは,
03-3354-9661 (担当:安孫子理良,TOKYO大樹法律事務所)まで

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# by benren | 2011-07-10 12:29 | 弁護士のみなさんへ

外国人研修・技能実習制度の問題点  

1 研修生に労働関係諸法令の適用がないこと
研修生に労働関係諸法令の適用がないことを直接規定した法律はないが,入管法が「研修生」の在留資格に就労を認めていないため,研修生は労働者ではない,と扱われることが多い。
もっとも,厚生労働省通達は,「実態によっては労働基準法上の労働者に該当することとなる場合も生じる」(平成5年10月6日基発592号)として,研修生にも労働基準法の適用の余地があることを認めている。

2 研修生・技能実習生を保護する法律がないこと
法律は,在留資格として入管法に定めがあるのみ。実際の運用は省庁の告示や指針等に委ねられている。
5省庁(外務,法務,厚生労働,経済産業,国土交通)の共管による,財団法人国際研修協力機構(JITCO)が受け入れ支援等を行っているが,現状は天下り団体で,受け入れ団体の管理は不十分と言わざるを得ない。
研修生保護に関しては,法務省入国管理局「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」(平成19年12月改定)に規定されているが,違反の制裁がない。
入管から不正行為認定がなされれば,受け入れ機関は受け入れ停止処分を受けるが,あくまで事後的な措置に過ぎない。なお,不正行為認定機関は,H15年の92件から,H19年には449件に急増している。

3 送り出し機関を取り締まる法律がないこと
(1)送り出し機関との不合理な契約の存在
ア 多額の保証金
研修生は,本国の送り出し機関に多額(年収の1~3倍程度)の手数料や保証金を払っており,研修生の多くが借金をして工面したり,親戚が保証人になったりしている。また,家を担保に取られている者も多い。
イ 違約金条項
3年間の実習を満了せずに帰国した場合には,保証金を没収されたり,違約金を支払わされたりするなどの,違約金条項が定められていることが多い。
この他に,日本で政治活動,労働活動(労働組合への加入を含む),裁判(弁護士との接触を含む),報道機関への接触などをした場合にも,違約金が課せられるという条項が入っている場合が多い。
ウ 強制貯金の返還
研修生・技能実習生の給料から天引きした強制貯金を,3年の実習が満了して帰国した際に,受け入れ機関から送り出し機関に送金し,本国で(本人又は家族が)受け取ることになっているケースが多い。
そのため,3年の実習を満了せずに帰国した場合や,日本で過酷な労働に耐えきれず日本国内で逃げだした場合には,強制貯金が支払われないことになる。

(2)強制帰国・違約金の恐怖
研修生たちは,送り出し機関と上述のような契約を結ばされているため,研修生たちは,強制帰国や違約金の制裁を恐れて,声を上げることができない。実際に,本国の家族の説得があって提訴を断念したケースも生じている。
受け入れ機関は,研修生たちの旅券を管理しているため,いつでも本国に送り返すことができる。

4 団体監理型の問題点
研修・技能実習制度の9割が,中小零細企業によって受け入れられている。当然,労働力として期待されており,制度の理念との矛盾がある。
研修生・技能実習生に対する人権侵害は,多くが団体監理型の受け入れで起こっている。

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# by benren | 2011-07-10 12:26 | 制度の問題点

外国人研修・技能実習制度の概要  

1 制度趣旨
外国人研修・技能実習制度とは、「我が国で開発され培われた技術・技能知識の開発途上国等への移転を図り、当該開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的」とする制度であり、国際貢献の一環とされています。

2 外国人研修制度とは?
この制度を利用して来日する外国人は、研修生として原則1年以内の期間に、技術育成や日本語教育等の研修を行います。
研修は、実務研修と非実務研修とに分けられます。
実務研修は、実際の生産現場で仕事をすることで技術・技能知識を得る研修です。
非実務研修は、技術・技能知識を学んだり、日本語教育等の座学による研修です。
非実務研修は、研修期間全体のうち、原則として1/3以上実施しなければなりません。これらの研修は1週40時間基準とされ、時間外研修や休日研修は許されていません。 また、受け入れ機関は、往復渡航費用、住居費、研修実施費用、保険料を負担しなければならず、さらに研修生には研修手当として生活実費を支払わなければなりません。

3 技能実習制度とは?
研修を終えた研修生は、所定の要件を満たすと、技能実習生に移行することができます。
技能実習生は、研修生の受け入れ機関と雇用契約を結んで、実際に就労することで技術・技能を修得するものです。研修・技能実習を含めて最長3年の期間利用できる制度です。
技能実習生は実際に雇用契約を結んで就労するため、「労働者」として労働基準法や最低賃金法などの労働関係法規が適用されることになります。
そのため、実習実施機関は、技能実習生を1日8時間以内、1週間40時間以内しか働かせてはいけないとされ、技能実習生に残業や休日労働をさせる場合には労働協約を締結するなどの要件を満たすことが必要とされます。また、実習実施機関は、技能実習生に残業や休日労働をさせる場合には割増賃金を支払う必要があります。


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# by benren | 2011-07-10 12:24 | 外国人研修制度とは

【初の労災認定!】技能実習生の「過労死」が認められました!  

◆茨城県鹿嶋労基署
2008年に志望した中国人技能実習生につき、鹿嶋労基署は、違法な長時間労働による「過労死」と判断し、全国で初の労災認定がされました。

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# by benren | 2010-07-02 00:00 | 事例紹介

研修生が労働者であることを認める,“全国で初めての判決”  

◆三重県四日市市
技能実習生が仕事をボイコットしたことを理由に,会社から2700万円の損害賠償を起こされていた事案。技能実習生らは,研修生時代の残業代等を求めて,反訴していた。
会社の損害賠償請求は,全部棄却され,研修生時代の残業代,付加金は,請求額満額が認められた。
研修生が労働基準法,最低賃金法上の労働者にあたることを正面から認めた,全国初の裁判例となった。

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# by benren | 2009-03-18 00:00 | 事例紹介

『外国人研修生 時給300円の労働者2』が発売されました!  

 外国人研修生権利ネットワークから,「外国人研修生 時給300円の労働者2」が発売されました(明石書店,1,800円+税)。

アマゾンでの書籍紹介

今年度通常国会における制度見直し論議に向けて,前書が刷新されました。全国各地から報告された,悲惨な労働の実態が明らかになっています。外国人研修生権利ネットワークによる政策提言も掲載。巻末には,関連法令集として外国人研修・技能実習制度に関する入国管理局の指針なども掲載され,弁護実務にも非常に役立ちます。

目次
外国人研修・技能実習制度とは何か/相次ぐ強制帰国事件/人権無視の労働現場/大都市圏にも拡大/現地送出し機関の問題/研修生と裁判/国際比較 外国人研修制度と移民労働/外国人研修制度の見直しに向けて

朝日新聞に書評が掲載されました。

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# by benren | 2009-03-12 00:00 | 書籍紹介

『<研修生>という奴隷労働 外国人労働者とこれからの日本』が発売されました!  

研弁連共同代表の小野寺信勝弁護士が執筆に携わった,「<研修生>という奴隷労働 外国人労働者とこれからの日本」が,花伝社から発売されました(1,500円+税)。
 
 Amazonでも購入できます。

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# by benren | 2009-02-27 00:00 | 書籍紹介

外国人研修・技能実習制度の法改正に対する意見書  

平成21年2月8日,研弁連は臨時総会を開き,下記の内容の意見書を採択しました。


内閣総理大臣 麻生 太郎 殿
法務大臣   森  英介 殿
外務大臣   中曽根弘文 殿
厚生労働大臣 舛添 要一 殿
経済産業大臣 二階 俊博 殿
国土交通大臣 金子 一義 殿



                    外国人研修生問題弁護士連絡会
                    共同代表 弁護士 小野寺信勝
                    共同代表 弁護士 指宿 昭一
                    事務局長 弁護士 大坂 恭子



第1 意見の趣旨
 当会は、外国人研修生制度、技能実習生制度について、以下の抜本的見直しを要求する。

1.研修生の実務研修に関し、労働関係諸法令の適用を法律により明示すること。

2.現行の団体監理型の受入れを禁止すること。

3.研修生に対し多額の保証金や管理費の徴収、賠償金の取り立てを行う本国送り出し機関からの受入れを禁止すること、これに伴い、いかなる契約を行う送り出し機関からの受入れを禁止するかを法律で明示すること。

4.研修生及び技能実習生に対し、指定された範囲内での職種の変更を認めるとともに、受入れ機関の都合により現在の受入れ機関での研修、技能実習が継続できない場合でも3年間の研修、技能実習を受ける機会を保障すること。


第2 声明の理由
1 外国人研修生・技能実習生制度の沿革
 日本における外国人研修生受け入れは1950年代後半に始まり、1989年の入管法の改正により在留資格に「研修」が設けられた後、1990年に研修生制度を改正、いわゆる「団体監理型」(中小企業団体等を通じて中小企業等が研修生受入れを行う形態)を導入し、受け入れの条件の緩和が行われた。
 また、1993年には、研修を終了し所定の要件を充足した研修生が技能実習生として雇用関係のもとで引き続き本邦に在留できることとなり、1997年には技能実習中の滞在期間が2年に延長(研修での滞在期間と合わせて最長3年)され、現在の制度となった。
 2007年における在留資格「研修」の新規入国者数は約10万2000人、技能実習への移行者は約5万4000人、技能実習中の者は10万人近くにも上り、合計20万人が国内で働くに至るなど、研修生・技能実習生の数は年々増加してきた(註1)。

2 研修・技能実習制度の趣旨
 外国人研修生制度は、「開発途上にある国々に対して技術・技能を移転させることを目的として、我が国に研修生を招いて技術移転による人材育成を行い、それらの国々の発展を支援するという長く広くその効果が浸透していく国際協力・国際貢献」(法務省入国管理局)であるとして制度化され、かかる制度趣旨から、研修内容は、単純な反復作業の研修でないこと、受入れ機関は、研修時間の3分の1以上の時間を日本語研修などの「非実務研修」(いわゆる座学研修)に当てることを原則とされた。
 技能実習制度も、研修制度の拡充の観点から研修を終了し所定の要件を充足した研修生に、雇用関係の下でより実践的な技術・技能等を修得させ、その技能等の諸外国への移転を図り、それぞれの国の経済発展を担う「人づくり」に一層協力することを目的として創設された。
 「研修」は出入国及び難民認定法(以下、「入管法」という。)で「本邦の公私の機関に受け入れられて行う技術・技能又は知識の習得をする活動」と定められている。研修生は、「技術を学ぶ者」とされるため、研修中は報酬を受ける活動が禁止されており、受領する給付は研修手当(生活実費)であるとされる。残業や休日労働はさせられないかわり、非労働者として労働関係諸法令の適用を受けないとされてきた。 研修・技能実習制度は、法令の他に多くの告示、通達等により規定され運用されているが、これらの諸規定は、研修生や技能実習生が入国・在留するための基準として定められているものであり、研修生受入れ機関の留意事項や不正行為については、法務省入国管理局による「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」を除くと直接の定めがなく、研修生保護のための立法はなされていない。また、受入れ機関に対する責任ある監督機関も定められていない。
 そのため、現実には、以下に述べるとおり、制度趣旨とあまりにも乖離した実態が存在する。


3 現状の問題点
(1) 研修生の労働実態
 研修生の多くが研修の実態はないまま「実務研修」と称して、長時間の労働をさせられている。以下、当連絡会所属の弁護士の携わった具体的事例を述べる。
■事例①:残業(熊本)
 2006年4月から6月に研修生として来日し、熊本県小国町にある第1次受入れ機関である事業協同組合を通じて、天草市の縫製会社に配属された中国人研修生・実習生らが、違法な労働条件のもとで就労させられていた事件。労働条件は1日12時間以上、休日も月1、2回程度しか与えられていなかった。また、給与は約月6万円、残業代は県の最低賃金の半分以下の時給300円しか支払われていなかった。さらに、旅券、通帳、印鑑を取り上げられ、賃金は強制的に貯金させられていた。
■事例②:残業(岐阜)
 2005年3月から7月に研修生として来日し、岐阜県揖斐郡大野町にある第1次受入れ機関である事業協同組合を通じて、岐阜市の縫製会社に配属された中国人研修生・実習生ら(女性4名)が、違法な労働条件のもとで就労させられていた事件。研修生であるにもかかわらず、時間外労働が強いられるどころかその残業時間は月200時間近いこともあった。にもかかわらず、研修生らは、残業代として県の最低賃金の半分以下の時給300円しか支払われていなかった。しかも、研修生らの研修手当は、月8万4000円で、協同組合がその中から管理費として3万9000円を控除するため、研修生が受け取れる研修手当は、結局、4万5000円であった。

 研修生に支払われる研修手当の平均額が2005年で月額6.6万円、月8万円未満が84.4%という実態(註2)に見られるとおり、仮に賃金とすれば最低賃金に達しない水準の給付しか得られないにもかかわらず、現実には、研修生は、技能実習生や他の日本人労働者と区別されることなく、時間外や休日労働をさせられている。研修生に時間外労働をさせた例は、平成19年度に入国管理局より「不正行為」と認定を受けた例だけでも98件(註3)にものぼる。法務省入国管理局の指針(註4)においても、研修生に月100時間を超える所定時間外(註5)労働を行わせていた企業や月130時間を超える残業をさせていた企業が不正行為と認定されている。
 このように、外国人研修生は、実態としては、単なる低賃金労働者として使われているにも拘わらず、労働関係諸法令の保護が全く与えられていないばかりか、明確な指導、監督機関もないまま放置されている現状がある。

(2)技能実習生に対する労働関係諸法令違反の横行
 また、本来、雇用契約の下に最低賃金法に従った賃金額、時間外手当が支払われるべき技能実習生についても、実際には、最低賃金法に従った賃金の支給がなされていない場合や、不当なピンハネがなされているケースが少なくない。
 例えば、先の岐阜の残業事例においては、技能実習生の賃金から、協同組合が管理費として4万2000円(2、3年目)を控除するため、技能実習生が受け取る賃金は、月4万8000円(2年目)、5万2000円(3年目)で、しかも、ここから月3万円が強制的に貯金させられ、この貯金は協同組合の管理下にあったため、実質的には研修生時代と変わらない待遇を受けていたのでる。しかも、残業代は、技能実習生に移行した後も最低賃金の半分以下の時給300円(2年目)、350円(3年目)しか支払われていなかった。 そして、2007年9月、彼女たちは、3年目の技能実習中に、突然、2日後に、中国へ帰国するように命じられた。既に帰国した技能実習生に対して、第2次受入れ機関が、違法に低額の残業代を支払っていたことが発覚し、名古屋入管から「不正行為」であると認定され、研修生・実習生の受け入れ機関としての適格性を失ったので、技能実習生全員を帰国させようとしたのである。

(3)人権侵害行為の多発
 受入れ機関における人権侵害行為も横行している。
■事例①:(愛知県豊田市)
 愛知県において、ベトナム人技能実習生6名が、未払賃金、残業代、人権侵害に基づく慰謝料を請求した事件。人権侵害の内容は、強制貯金、旅券や健康保険証の強制管理、トイレに行く度に徴収された罰金の制度、女性研修生の住居に夜中に受入れ機関の社長が潜り込む等のセクハラ行為、差別発言等悪質で深刻なものであった。
 また、受入れ機関による旅券の強制管理は、団体管理型で研修生を受け入れた多くの受入れ機関で行われており、その多くが研修生来日直後に預り証に署名を求めた上、帰国する時期まで管理するという内容である。
■事例②:(岐阜)
 住環境が劣悪である事例も多数報告されているが、岐阜において、金属加工の作業に従事していた中国人技能実習生の事例では、研修生、技能実習生らは、本来住居スペースとして想定されていない工場の中二階で、ベニア板で仕切っただけの小屋を造って生活をしていた。一階での金属加工作業による粉塵が舞い衛生状態が悪く、耐震性も全く整っていなかった。研修生に対しては、受入れ側が住居を提供することとなっているが、実際のところ住居を提供しているとは到底言えない例がある。

 法務省入国管理局により認定された受け入れ機関による「不正行為」を引用するだけでも、「人権侵害行為」は、70件にもおよび、法務省入国管理局が「看過できない状況」と指摘する事態が生じている。 研修生の旅券や預金通帳を取り上げ、携帯電話の所持を禁止し、夜9時以降の外出を禁止したり、遠出の外出を禁止するほか、部屋の施錠を忘れた場合や内履きで屋外に出た場合の罰金を定めた受入れ機関の存在など、入国管理局によって多数指摘されている。
 また、不十分なJITCOの平成19年度における巡回指導によっても、不適正なパスポートの管理が指導された企業は25存在する。また、JITCOには平成19年度に31件もの受け入れ機関による暴力やセクハラの相談も寄せられている(註6)。これらの現状を受け、昨年3月25日の閣議決定は、早急に講ずべき措置の一つとして、受入れ機関の適正化を図るため、「不正事案については入国管理局及び労働基準監督機関の間との綿密な連携の下に・・・積極的に実態調査または臨検監督を実施」することとした。
 政府は、かかる閣議決定に従い、早急に実施を具体化すべきである。

(4)在留資格の不安定性
 入国管理局では、研修・技能実習に関し不適正な行為を行った機関に対しては、「不正行為」の認定を行い、研修生の受入れを3年間停止する措置を講じているが、その際、不正行為認定を受けた機関で既に受け入れられており、在留期限が残っている研修生たちを保護する運用は何ら行われていない。すなわち、受入れ機関に不正行為認定がなされると、当該受入れ機関で研修中の在留期間内の研修生たちは、在留期間の更新が困難となるばかりでなく、在留継続の基盤を失う結果となり、言い換えれば、不正行為認定により研修生、技能実習生が不利益を被る結果となっている。
 これにより、研修生、技能実習生たちは、不正行為の通報ができなくなり、過酷な労働や人権侵害行為にも甘んじることになるのであり、受入れ機関の不正行為を抑制することができない。 2007年12月の規制改革会議第2次答申においても「受け入れ機関の不正行為に遭遇しながらも研修生・技能実習生はみずからが途中帰国させられることをおそれ、被害の実情を入国管理局・労働基準監督機関等に申告することを躊躇する傾向にあるため不正行為が減少しないとも指摘されている」と同様の指摘がなされている。
 この点に関しては、2008年3月25日の閣議決定においては、2008年措置として「受入れ機関が不正行為の認定を受けた場合及び受入れ機関の倒産等により研修・技能実習が継続できない場合」には「他の機関に受け入れられる場合には引き続き在留が認められる」ことを明確にし、「他の受入れ機関において研修・技能実習を継続できるよう受け入れ先機関の開拓を行う仕組みを構築」する旨の決定がなされているが、未だに具体化はしておらず、受入れ機関や研修生任せになっている。
 また、受入れ機関が気に入らない研修生、技能実習生について、予め管理している旅券を利用して航空券を手配し、強制的に帰国させるという事例も多数報告されている。
■事例:強制帰国(岐阜)
 岐阜県の金属加工工場において会社の指導が不十分であったためにボール盤の操作を誤り、手指を切断する怪我を負った技能実習生が、事故から約1か月後、協同組合と受入れ企業により強制的に空港へ連れて行かれ、予め技能実習生の貯金によって用意されていた航空券を渡され、上海まで見張り役2名をつけられて強制的に帰国させられた事例。この技能実習生は、空港へ連れて行かれる際、殴る蹴るの暴行を受け、また、持ち物検査を受けて、衣類以外はほとんど没収された状態で帰国を強いられた。

 このような事態は、根本的には、外国人研修生制度、技能実習生制度を入管法のみに依拠させ、研修生、技能実習生の在留資格を受入れ機関の存在に依存させているために生じるものである。

(5)送り出し機関の問題
 外国人研修生が、来日に先立ち、本国の送り出し機関との間で締結している契約内容についても多くの問題が存在する。送り出し機関とは、日本の第一次受入れ機関と契約を結び、研修生の送り出しを行う機関である。 研修生たちはそれぞれの母国の送り出し機関の人材募集に応じて集められ、この機関と契約を結び、多額の準備費用を負担させられ、送り出し機関との契約に違反した場合の違約金を担保する保証金、土地、家などの担保を取られることが多い。研修生たちは、この契約に基づく保証金の没収及び違約金の徴収を恐れ、日本において受入れ機関から人権侵害を受け、労働条件が法令違反であることがわかったとしても、権利主張をすることが極めて困難な状況に追い込まれている。
 送り出し機関との契約内容としては、日本の労働関係諸法令に違反する定めが置かれていることが通常である。さらに、受入れ機関の行ったことに関し、「日本の裁判所、社会団体、報道機関に訴えない」、「ストライキをしない」等といった条項を入れて権利行使を妨げ、これに違反した場合にも上記の違約金等を没収するという条項が入る場合がある。
■事例①:ベトナムの送り出し機関スレコ
 多くのベトナム人研修生を日本に送り出しているベトナムの国営企業スレコ(SULECO)においては、研修生を送り出すに際して契約を締結する際、すでに日本において受入れ機関から支払われるべき研修手当、賃金について、本法の労基法上許されない低賃金、時間外手当、強制貯金の定めを定型の書式において置いている。研修生に対して送り出すに先立ち約100万円の保証金を徴収し、家族の居住する不動産には抵当をつけ、来日後に受入れ機関をして毎月徴収した強制貯金は送り出し機関へ送金をさせ、仮に、研修生が送り出し機関の指示に従う内容で帰国できなかった場合には、保証金、強制貯金は全て没収するという内容の契約をしていることしている。
■事例②:上海送り出し機関
 2005年から岐阜市の縫製業の会社で研修・技能実習を行った中国人研修・技能実習生(女性名)の場合、送り出し機関と締結した「研修生待遇確認書」に、日本の最低賃金法に違反する、技能実習の日給を4800円(2年目)、5200円(3年目)、研修・技能実習の残業代時給を300円(1、2年目)、350円(3年目)とする規定があり、また、「承諾協議書」には、研修・技能実習生は「日本の裁判所、社会団体、報道機関に訴えない。」という規定があった。彼女たちは、技能実習の途中で、労働組合に加入して、最低賃金を下回る残業代の支払いを協同組合及び会社に要求して、その一部を支払わせ、2007年3月に帰国した。
 2007年4月16日、中国上海の送り出し機関が上海市崇明県人民法院へ、4名の元研修生及びその保証人に対して4つの損害賠償請求訴訟(各5万2000元)を提起した。同月25日、元研修生等、保証金返還請求(各2万元)は反訴を提起したが、同年10月12日、元研修生・1名およびその保証人の一審敗訴判決が出された。敗訴の根拠は、第1次受入れ機関名義の損害賠償請求書が証拠として提出されたことである(実は、これは偽造文書である)。同年10月頃、敗訴した元研修生および保証人は、上海市第二中級人民法院へ控訴。同年12月17日、控訴棄却判決が出され、確定した(中国の裁判は、二審制)。同年12月20日、他の3名の元研修生及びその保証人の一審敗訴判決が出されている。2008年9月、送り出し機関は、上記確定判決に基づき強制執行をかけてきた。元研修生らは、同年11月に再審を申し立て、現在、係争中。


4 抜本的法改正ないし立法の必要性
 上記の問題点を改善するためには、第一に、緊急の施策として、研修生の実務研修について、労働関係諸法令の適用を定めることが必要である(意見書趣旨1)。
 しかしながら、かかる改正が制度の抜本的見直しに繋がる訳ではない。外国人研修生制度は、前述したとおり、「開発途上にある国々に対して技術・技能を移転させることを目的として、我が国に研修生を招いて技術移転による人材育成を行い、それらの国々の発展を支援するという長く広くその効果が浸透していく国際協力・国際貢献」(法務省入国管理局)とされながら、実態としては、上記の通り、研修生が「研修」とは認めがたい「労働」に従事させられており、制度趣旨との乖離が甚だしいからである。
 すなわち、日本政府は、表向きには外国人に対して単純労働のための在留資格を認めていないにも拘わらず、多くの研修生・実習生は「きわめて安価な労働力」として、また転職のできない「管理された労働力」として働かされ、過酷な就労・生活環境の下で人権侵害が頻発し、「現代の奴隷」と批判される事態が生じており、なかには、悪質なブローカーや受入れ機関に管理費等のピンハネを受け、実質的に人身売買と指摘せざるを得ない事例すら存在するのである。
 そのことは、近時、国際的にも認知されるに至っており、2008年10月、国連自由権規約委員会は、外国人研修生問題に関して、日本国政府に対し、「法定最低賃金や社会保障をはじめとする最低労働基準に関する国内法による保護を外国人研修生および技能実習生に適用し、研修生と技能実習生を搾取した雇用主に対して適性な制裁措置を科すべきである。また締約国(日本国)は、現行の制度を、研修生及び技能実習生の権利が十分に保護される新たな枠組みに発展させ、低賃金労働者としての募集よりも、能力開発に焦点をあてることを検討すべきである」との勧告をなした。
 外国人研修生、技能実習生制度を維持するとしても、以下の点を見直すべきであり、かかる見直しを定めない小手先の法改正では、不十分と言わざるを得ない。以下、意見書の趣旨2ないし4について補足する。

(1)意見書趣旨2について
 2003年から2007年の5年間に「不正行為」と認定された1160件のうち1128件は団体監理型である。
 研修生・技能実習生の受入れには、企業単独型と団体監理型がある。企業単独型は、日本の企業が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を直接受け入れるものである。これに対して、団体監理型は、事業協同組合等の中小企業団体、商工会議所、商工会等が受入れ団体(第一次受入れ機関)となって研修生・実習生を受入れ、傘下の中小企業(=受入れ企業、第二次受入れ機関)において実務研修及び技能実習を実施するものである。
 団体監理型では、従業員十名から数十名程度の中小企業も研修生・技能実習生の受入れが可能となるため、十分な受入れ体制の整わない受入れ機関も少なくない。
 経済産業省も「こうした不正行為を行っている受け入れ企業では、研修・技能実習生に対する十分な技能教育や生活支援なども行われていないケースが多いと言われておりまさに制度趣旨に反する受け入れ実態となっている」(註7)と指摘しているところである。本来の制度趣旨に沿った制度運営を目指すのであれば、第一に、団体監理型を廃止すべきである。
(2)意見書趣旨3について
 上記に述べたとおり、研修生は、来日に先立ち、本国送り出し機関との間で、多額の保証金を納め、その没収、研修中の管理費の徴収、違反行為があった場合の賠償金の予約など、本邦においては、法令違反となる内容の契約を締結していることが大半である。日本政府は、本邦における外国人研修生、技能実習生制度がかかる弊害を本国で生み出していることを真摯に受け止め、実態調査に乗り出すと共に、このような日本の法令違反の契約を行う送り出し機関からの研修生受け入れを、法令で明確に禁止しなければならない。
(3)意見書趣旨4について
 技能実習制度は、労働でありながら、他業種への転職を認められていないという特殊性があり、その結果、技能実習生の在留継続を受入れ機関に依存させることとなり、受入れ機関に対する正当な権利主張を妨げ、受け入れ機関や送り出し機関による人権侵害を誘発している。
 そこで、研修生、技能実習生が在留期間中に研修、技能実習を受ける機会を保障し、その期間内は、他の労働者同様、他企業、指定された範囲内での職種への移転を認める必要がある。


以上


補足情報
註1: 厚生労働省 2008年6月 研修・技能実習制度研究会報告(以下研究会報告という)2頁
註2: 2006年8月 JITCO業務統計
註3: 研究会報告5頁
註4: 入国管理局 2007年12月研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針
註5: 入国管理局 2006年度の不正行為認定について
註6: JITCO 2005年受け入れ実態調査
註7: 経済産業省 平成19年5月14日 「外国人研修・技能実習制度に関する研究会」取りまとめ

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平成21年2月8日,研弁連臨時総会で,法改正に対する意見書を採択し,翌9日には,国会議員への要請活動,及び各省庁(厚生労働省,経済産業省,外務省,国土交通省,内閣府)との交渉活動を行いました。
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